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2011年の政局展望2011年の政局展望 あけましておめでとうございます。今年は、うさぎ年、うさぎのように跳躍する1年にしなければなりませんが、政局は混迷しており、ウサギのように危機を飛び跳ねる、不安定な、展望の見えない展開になりそうである。 不安定の原因は、政権の政策の貧困と、民主党内の権力争いが激化していることにあり、仙石官房長官も問責決議の可決に対して、早期に内閣改造をしなければならないのに、未だもたもたしており、予算を成立させる体制になっておらず、完全にその時機を逸してしまったことであり、このままでは、細川護煕政権の二の前になってしまう。それに加えて、小沢一郎問題が年を越しても、未だ決着が図れていないことである。この問題の年越しは、国会日程すら決められない状態であり、通常国会の予算審議の運営も難航が必至となり、波状危機が菅政権を襲うことになるであろう。小沢一郎氏の起訴の時期、官邸にこの情報が入らないわけがなく、小沢サイドがかなり疑心暗鬼になっている。この亀裂ががどれほど深刻になっているのか、新年早々、KY(国民の気分が読めない)国民不在の権力闘争が繰り広げられた。 驚くことに、元旦早々、一兵卒であるはずの小沢一郎氏が、120人を集めた新年会を開催し、民主党内の権力の強さを見せつけた。これに対抗し、菅直人総理ら民主党執行部は、官邸で総理周辺だけで新年会を開催し、小沢問題をしっかり対応する姿勢を示した。この事実からして、民主党大会は、大荒れ必至であり、通常国会冒頭にかけて、内閣改造を巡り、「1月危機」が訪れるであろう。 そのあとの小沢氏の強制起訴の時期、離党問題、国会招致の実現、証人喚問要求など、司法と行政、立法の独立をたてに、難しい政局となり、官邸の指導力不在のあいまいな姿勢で、11年度予算案と予算関連法案を採決する3月までは危機的な状況が続くであろう。 その後は、統一地方選が行われるが、民主党は惨敗し、その結果を踏まえた「4月危機」として、全国的に落選した県議会議員、市議会議員選挙ら、民主党の地方支部の幹部が、一斉に、首相退陣論や執行部の責任論をすることになる。その後、郵政改革法案が、国会審議になり、民主党が、再び先送りすれば、国民新党との連立は危うくなり、そうなれば、衆院選マニフェスト(政権公約)の順守など「政権交代の原点回帰」を旗印に「菅降ろし」が起こり、内閣支持率はますます下落、6月の会期末に内閣不信任決議案や首相問責決議案が国会に提出されれば、党内で小沢氏系議員との対立が続けば、内閣不信任決議案の採決で造反もあり得る。不信任案が可決されれば菅首相の選択肢は衆院解散・総選挙か内閣総辞職の二つに一つ。いよいよ菅総理も、進退窮まってくることは、政権の危機管理として、今から予想しておかねばならない。 昨年末、連合や民主党の支持団体が心配して、小沢、菅の幹部会談が持たれた。しかし、両者は、目もあわさなければ、口も利かなかったという。このような、通常国会の展開を考えれば、一日も早く内閣改造をして、国会日程を決めなければならないのに、与党の中では、調整する人も、国会運営をするカレンダーを作る人が見当たらない。結論は、小沢一郎の関係をどうするのかであり。民主党内の小沢氏系の議員が期待する「脱小沢路線」を修正する形の内閣改造となれば、逆に支持率を下げる要因になりかねないのであり、菅内閣にとって、大事なことは、未だ、その意思決定がされていないことである。 民主党が、国会改革もせずに、「政治は力、力は数」を地で行くような強引な国会運営を続ければ、4月の統一地方選を前に有権者の離反を招き、首相は党内からの揺さぶりにも常にさらされることになるであろう。ますます混迷を深める日本の経済と政治の中で、国民の政治不信は、ますます上がってくるが、政治は、しっかりと国民に向き合い、今なすべきことをはっきりと掲げ、与野党ともに、国民のための政治行動をとるしか、期待に応えるしか手段はないであろう。われわれも、しかるべき時期に備え、しっかりした設計図と戦略と受け皿を構えておかねばならない。
2011年の経済の展望 今年の日本経済は、どうなるであろうか。米国や中国など海外経済の改善を足がかりに、日本経済は年後半には回復軌道に戻るという見方もあるが、円高や資源高などが急速に進めば、回復シナリオにも狂いが生じかねない。また、デフレからの脱却は、今回の予算編成の内容を見れば、しっかりした経済対策がなされておらず、12年度以降に持ち越されるであろう。成長率は、物価変動の影響を除いた実質で11年度は1.2%と予測され、景気が「足踏み状態」になっている状況の改善は、今のままではむつかしいであろう。ことさら、地方の景気、経済状態は深刻であり、今の政権が極端に公共事業や各種の補助金を削減した影響が出てくるであろうし、麻生政権の時に実施してきた家電エコポイント制度補助金、エコカー補助金終了やたばこ増税を控えた駆け込みの反動などで消費が低迷することが成長の足を引っ張り、日本経済を「政策依存の回復」の頼みの綱とした政策効果も足元では息切れが鮮明になって来るであろう。 確かに財政再建のために、歳出削減は避けられないことであろうが、子ども手当や高速道路の無料化、農業の個別補償手当など、選挙目当てのばらまき政策を継続する限り、日本の経済成長と財政再建は実現しない。この足踏みの後の景気が再浮上するというシナリオがあるとするならば、消費税の社会保障財源化と産業成長政策の重点化である。輸出相手国である中国では、インフレ圧力が次第に強まってきているが、11年も9%台の高い成長が見込まれ、失速シナリオはひとまず後退している。中国では、昨年末に、食料や不動産価格などの上昇を受けて、中国共産党は2年間にわたる金融緩和策の終結を宣言したが、引き締めを急げば景気を過度に冷え込ませるリスクがあるものの、両国で、経済的な協調体制が必要である。尖閣問題など、日中間の政治対立は、双方の国に悪い影響を与えるものであるが、両国の外交関係者の努力による関係改善が求められる。 米国経済は、誠両立が2%台後半とみられ、潜在成長率を下回るテンポの景気拡大しか期待できないが、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和策や富裕層を含めた大型減税の延長で、米経済も深刻な低迷は避けられるであろう。我が国としては、株価上昇で個人消費が緩やかに持ち直し、アジア向けなどの輸出も成長を下支えする政策を協力することが大事である。 欧州のユーロ圏は、イギリスは、ケインズの言うアニマル・スピリット(血気)が戻りつつあるし、ドイツなどの経済が堅調に拡大する一方で、南欧諸国などでは信用不安がくすぶり続け、経済成長が緩慢なままにとどまる可能性がある。このままでは、世界経済は中国をはじめとする新興国頼みの色合いが一段と強まることになるため、レアアースなどの資源の確保を含め、欧米に対する経済協調も、我が国としては大事なことである。 いずれにしても、日本経済の成長を図るためには、下振れさせるリスクを取り去ることであり、課題は、円高と資源高に対応することである。米国の金融緩和で生み出されたマネーが商品市場などに流入し、原油価格などの上昇が続くようなら、企業収益の悪化を通じて実体経済に波及する恐れもあり、今年も、経済の基礎体温といえる物価は低下が続きそうであるが、消費者物価指数(生鮮食品を除く)がマイナスにならぬよう、デフレからの脱却政策が何より大切である。政治は与野党を通じて、デフレを克服するための日本経済成長政策の作成と実現を図ることであり、このための政界再編は必須のものであるが、その前には、このことを争点として解散総選挙をしなければならない。それは、早ければ早いほど、日本の国にとって必要なことである。
これからの日本の目標 経済低迷が続く日本経済であるが、経済と財政、社会保障の改革を急ぐしかない。まさに、これから1~2年は日本再生への最後の機会となるだろう。 経済の長期停滞の原因は、政策不況といわれているが、日本経済を立て直すプログラムと気概、政治の指導層の意識の問題と国民と経済界の危機意識の欠如が、日本の国策の柱となっておらず、民主党の国民生活が第一、子ども手当、農業の個別補償、高速道路の無料化などの社会主義的なばらまき政策では、日本経済の復活は絶対に不可能である。 世界経済は、1990年代前半から、冷戦の終結や新興国の台頭で「世界大競争」が始まっており、韓国が日本をしのぐ性能の電機・エレクトロニクス製品をつくるようになり、中国は低コストの工業品を量産し始めた。国内総生産(GDP)でも、日本は、中国に並ばれ、アジアでも経済超大国ではなく、近未来の経済の姿を示す指標では、国・地域の競争力は世界1位がシンガポール、2位が香港。日本は台湾(8位)や中国(18位)、韓国(23位)にも及ばず27位になった。また、OECDの学習到達度調査では15歳の読解力で日本は8位と、上海(1位)、韓国(2位)、香港(4位)などの下であり、物理と化学の専門論文の発表数で日本は中国を下回っている。教育の低迷も、戦後の豊かな社会の悪平等の社会主義政策の結果であり、長期停滞のなかで育った若い世代には「努力しても、そんなに豊かにはなれない」というあきらめもあるようだ。国家観や愛国主義も学校で教えられることもなく、会社に入っても、経営者や企業家ではなく、あくせく競うのは避けたいという風潮も影響している。 もう一度、日本の活力を向上させるには、モノづくり、人づくり、国造りの根本的精神のため直しである。まさに志、吉田松陰や坂本竜馬の独立独歩の精神が必要である。日本の現状は、アジア諸国に追われてはいるが、まだまだ、日本は技術に強い工業国である。アジアの国々と健全なナショナリズムを発揮し、オリンピックのように、各国と競いながら腕を磨けば成長の余地はある。それを怠れば、国の財政破綻は、ますます進み、われわれの祖先が努力して構築した、今の豊かさはやがて消える。そのことは、領土、主権問題なの我が国の安全保障問題にも直結している。今の日本を再びしっかりした国にするため、過信もあきらめも捨てて、自らを鍛える志こそが大事であると考えている。 外国に学ぶ。貿易自由化で外の成長力を取り込む。伸びない産業よりも成長産業を後押しする。世界で通用する人材を育む......。 総じていえば、経済開国と国内の改革。それはまさに明治期の人が挑み、なし遂げたものだ。国を開き道を拓(ひら)いた明治人の気概に学びたい。 とりわけ急がれるのは、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を中心とする貿易の自由化である。 グローバルに活躍できる人材を育てる。 シンガポールのように外国の有為な人材を好条件で招くことも、大競争の時代には重要になる。経済再生への機会をいかせるかどうかは多分に政治家しだいだ。 外科手術が必要なのに、痛み止めを与える。そんな政策を民主党政権は自民党政権と同様、続けている。八方美人の政策は有害でしかない。 日本再生のもう一方の主役は企業経営者。技術力はあるのに、アップル、グーグルなど米企業に新製品や新サービスで先を越されている。また、何社もがひしめき、大型の研究開発や投資で外国勢に後れを取る業界も多い。保守的な経営が働き手の潜在力を殺してはいないか。 政治家と経営者は、日本経済のこの大転換期に極めて重大な責任を負っていることを自覚してほしい。 |







